FAMLog
FileMaker 7のセキュリティ改善点 (1)
August 01, 2005
FileMaker 7は、バージョン6およびそれ以前と比較して、セキュリティ面で多くの点が改善されています。
アカウントとパスワードを組み合わせてデータベースを保護できるようになった他、FileMaker Pro 7では1つのファイル内で複数のテーブルがサポートされるようになったため、1組のアカウントとアクセス権セットで、単一のファイルに複数のテーブルが含まれるデータベースを保護できます。
1つのファイルの中に複数のテーブルを入れるように設計すれば、複数のファイルを使用したときと違って、ファイルごとにアカウントやアクセス権セットを作成する必要がなくなります。
ICU4J 3.4
August 02, 2005
Unicodeのサポートやソフトウェアの国際化に必要な機能を提供するJavaライブラリ「ICU4J 3.4」が公開されています。
ICU4J 3.4では、Unicode 4.1およびCLDR 1.3がサポートされた他、文字セットの判別に利用できるAPIが新しく追加されています。
ICU4Jを利用すると、Unicodeの正規化処理や、西暦と和暦の変換などが可能になります。
FileMaker 7のセキュリティ改善点 (2)
August 03, 2005
FileMaker 7は、バージョン6およびそれ以前と比較してセキュリティ面で多くの点が改善されていますが、セキュリティにおいて重要なパスワードの扱いについて細かく設定できるようになっています。
バージョン7では、次回データベースを開いたときに新しいパスワードを指定するように利用者に要求したり、指定した日数が経過した後にパスワードを変更するよう利用者に要求する設定を有効にすることができます。
また、パスワードの最小の長さを設定することも可能になっています。
FileMaker 7のセキュリティ改善点 (3)
August 04, 2005
FileMaker 7のFileMakerネットワーク共有機能では、アカウント名とパスワードに一方向の暗号化アルゴリズムを使用して、パスワードクラックツールによる侵入を防止します。
ファイルメーカーPro 6およびそれ以前では、FileMakerネットワークによる共有にセキュリティ上の問題点があり、イントラネットでのみ使用しなければならなかったり、あるいはVPNを使用しなければならないなど、利用できる環境がかなり制限されていましたが、その点がバージョン7で改善されたことになります。
さらに、FileMaker Server 7を用いてSSLを使用する設定を有効にすれば、通信内容を暗号化することも可能になり、FileMakerネットワーク共有機能を従来に比べてかなり安心して利用できるようになったと言えます。
FileMaker 7のセキュリティ改善点 (4)
August 05, 2005
FileMaker 7では、アカウントとパスワードを組み合わせてデータベースを保護できるようになりましたが、それに加えて「Get(アカウント名)」関数を使用して、関数およびスクリプトで現在のユーザーを判断できるようになりました。
これにより、特定のアカウントのみで実行できるスクリプトを作成することなどが可能になり、さまざまな可能性が広がります。
また、特定のスクリプトのみを対象として「スクリプトを完全アクセス権で実行」させることもできます。通常はアクセス権の制限されたユーザーで処理をしつつ、特定の処理だけ一時的に権限を昇格させてスクリプトを実行するといったこともできて、より柔軟にスクリプトを組めるようになっています。
FileMaker 7のセキュリティ改善点 (5)
August 08, 2005
FileMaker Server 7 Advancedでは、WebサーバーとWebブラウザー間の通信にSSL(Secure Socket Layer)による暗号化を使用でき、インスタントWeb公開機能も新たにSSLに対応するようになりました。
従来のファイルメーカーPro UnlimitedではカスタムWeb公開のみSSLがサポートされていましたが、FileMaker Server AdvancedではカスタムWeb公開だけでなくインスタントWeb公開もSSLがサポートされています。
なお、FileMaker Pro 7(FileMaker Developer 7)のインスタントWeb公開機能はSSLに対応していません。SSLを利用するには、ApacheやIISをWebサーバーとして使用するFileMaker Server 7 Advancedが必要です。
Xalan-Java 2.7.0
August 09, 2005
Javaで実装されたXSLTプロセッサー「Xalan-Java 2.7.0」がリリースされています。Xalan-JavaはFileMaker Server 7 Advancedでも利用されているXSLTプロセッサーです。
Xalan-Java 2.7.0では、XML 1.1およびJAXP 1.3がサポートされています。また、このバージョンからIBMのbsf.jarは含まれなくなり、代わりにApache Jakarta BSF Projectのbsf.jarをダウンロードして利用するように案内されています。
同梱されているXMLパーサーであるXerces-Javaはバージョン2.7.1に更新され、その他にも数多くの不具合が修正されています。
Mac OS X v10.4でBonjourを無効にする
August 10, 2005
Mac OS X v10.4でBonjour(旧称Rendezvous)を無効にするには、ターミナルで次のように入力します。
sudo launchctl unload -w /System/Library/LaunchDaemons/com.apple.mDNSResponder.plist
(実際には1行で入力します)
launchctlは、Mac OS X v10.4から導入されたlaunchdを制御するためのコマンドであり、サービスの開始や停止などを行うときに使用されます。
元の状態に戻す場合には、次のように入力します。
sudo launchctl load -w /System/Library/LaunchDaemons/com.apple.mDNSResponder.plist
(実際には1行で入力します)
[参考]macosxhints - 10.4: How to disable Bonjour
[関連]Mac OS X v10.6:mDNSResponder を無効にすると DNS も無効になる(アップル)
(2007/01/04追記:「(実際には1行で入力します)」という注釈を追加しました。)
(2010/04/02追記:リンク先のページがなくなっていた箇所があったので、その部分についてはリンクを削除しました。あわせて関連記事へのリンクを追加しました。Mac OS X v10.6ではmDNSResponderプロセスを無効にするとDNSによる名前解決ができなくなってしまうので要注意です。)
scutil
August 11, 2005
Mac OS Xは「システム環境設定」の「共有」でコンピュータ名やローカルホスト名を設定できますが、その設定をコマンドラインから変更するためのツールとして「scutil」が用意されています。
(使用例)
$ sudo scutil --set ComputerName "FileMaker Server"
$ sudo scutil --set LocalHostName "FileMaker-Server"
scutilの詳細はmanページに記載されていて、下記のコマンドで参照することができます。
$ man scutil
defaultsコマンドでFileMaker Server 7の設定を変更する (6)
August 12, 2005
FileMaker Server 7において、defaultsコマンドを用いてFileMaker Serverでプラグインを使用できるようにするには、ターミナルで次のように入力します。
(Mac OS X v10.4.2の場合)
sudo su - fmserver -c 'defaults -currentHost write "/Library/FileMaker Server 7/Library/Preferences/com.filemaker.fmserver" Preferences UsePlugins -int 1'
上記コマンドを入力後に設定を即座に反映させたい場合には、次のようにfmsadminコマンドを使用します。
sudo fmsadmin reload
(2005/08/24追記:サンプルを一部修正しました。)
(2015/09/02追記:OS X版のFileMaker Server 14では設定ファイルの形式およびパスが変更されたため、上記の方法は利用できません。)
FX.php 4.0
August 15, 2005
PHPからFileMakerのデータベース処理を可能にするクラス「FX.php」のバージョン4.0がリリースされています。
FX.php 4.0では新居雅行氏が作成した日本語対応部分(FX_charset)が統合され、FX.phpだけで入出力部分のエンコードを指定できるようになっています。これによりFX_charsetを別途使用する必要がなくなりました。
その他にも、FX.phpのデータセットの理解に役立つ「FX Parser」というユーティリティが付属するようになり、新たにODBCのサポートが追加されるなど、数多くの機能が追加されています。
APPLE-SA-2005-08-15 Security Update 2005-007
August 16, 2005
Appleから「Security Update 2005-007」がリリースされています。
Security Update 2005-007は、Mac OS X v10.3.9、Mac OS X v10.4.2、Mac OS X Server v10.3.9およびMac OS X Server v10.4.2向けのもので、下記のソフトウェアが更新対象となっています。
・Apache 2
・AppKit
・Bluetooth
・CoreFoundation
・CUPS
・Directory Services
・HItoolbox
・Kerberos
・loginwindow
・Mail
・MySQL
・OpenSSL
・ping
・QuartzComposerScreenSaver
・Safari
・SecurityInterface
・servermgrd
・servermgr_ipfilter
・SquirrelMail
・traceroute
・WebKit
・Weblog Server
・X11
・zlib
OpenSSLのバージョンは0.9.7gに、zlibのバージョンは1.2.3に更新され、Mac OS X Server v10.3.9にオプションでインストールされているApache 2はバージョン2.0.53にアップデートされています。
FileMaker Serverのバージョン確認方法
August 17, 2005
FileMaker Server 7ではFileMaker Server Adminを使用することによりFileMaker Serverのバージョンを確認できますが、それ以外の方法としてfmsadminコマンドを使用する方法があります。
fmsadminコマンドで-vオプションもしくは--versionオプションを使用することで、バージョンを確認できます。
FileMaker Server 7.0v3の場合には、FileMaker Serverのバージョン情報は次のように表示されます。
$ fmsadmin -v
FileMaker Server
Copyright(c) 1994 - 2005 FileMaker, Inc. All rights reserved.
fmsadmin: Version 7.0v3
User Name: USERNAME
FileMaker Server License Key: XXXXX-XXXXX-XXXXX-XXXXX-XXXXX-XXXXX-XXXXX
FileMaker Server Version: 7.0v3 (02-08-2005)
FileMaker Server Hostname: famlog.filemaker.ne.jp
APPLE-SA-2005-08-17 Security Update 2005-007 v1.1
August 18, 2005
Appleから「Security Update 2005-007 v1.1」がリリースされています。
Security Update 2005-007 v1.1は、Mac OS X v10.4.2およびMac OS X Server v10.4.2用のSecurity Update 2005-007 v1.0を差し替えるものです。
Security Update 2005-007 v1.1は、v1.0で配布された32bitバージョンのLibSystemを32bitバージョンと64bitバージョンの共用のものに置き換えます。これ以外の変更はv1.1では行われていないとのことです。
デュアルCPUでWeb公開エンジンが応答しなくなる
August 19, 2005
FileMaker Server 7 Advancedにおいて、マシンがデュアルCPU構成もしくはWindowsプラットフォームでハイパースレッディングが有効になっていると、Web公開エンジンが応答しなくなったり、突然予期せぬエラーが発生することがあることについて説明した記事がFileMaker Knowledge Baseで掲載されています。
Windowsプラットフォームでハイパースレッディングを有効にしている場合は、ハイパースレッディングを無効にしてマシンを再起動することで、問題が解決する可能性があるとのことです。
Mac OS Xの場合は、一時的にシングルCPUとして機能させる方法もありますが、この方法は実際に運用する場合には勧められるものではありません。当面はデュアルCPUマシンでの使用は避ける必要がありそうです。
(関連資料)Web 公開エンジンが応答しなくなる(ファイルメーカーテクニカルサポートインフォメーション)
(2006/02/14追記:FileMaker Server 8 Advancedでは上記の問題は解決されています。)
Factory's FileMaker Plug-in(Mac OS X版)ver.1.0.6
August 22, 2005
有限会社ファクトリーが「Factory's FileMaker Plug-in(Mac OS X版)」のバージョン1.0.6をリリースしています。
Factory's FileMaker Plug-inは、FileMaker Proが標準でサポートする画像管理機能を拡張し、様々な要求に応じたシステム構築を実現するために必要となる関数が集約されたプラグインです。
Mac OS X版のバージョン1.0.6では、FileMaker Pro 7でインスタントWeb公開機能を利用した際に発生する不具合が修正されています。
defaultsコマンドでFileMaker Server 7の設定を変更する (7)
August 23, 2005
FileMaker Server 7では、デフォルトデータベースフォルダと、オプションで指定されている追加データベースフォルダ内にあるデータベースが起動時に自動的に共有されます。
defaultsコマンドを用いて追加データベースフォルダを使用するオプションを有効にするには、ターミナルで次のように入力します。
(Mac OS X v10.4.2の場合)
sudo su - fmserver -c 'defaults -currentHost write "/Library/FileMaker Server 7/Library/Preferences/com.filemaker.fmserver" Preferences -dict-add UseOtherDatabaseRoot -int 1'
上記コマンドを入力後に設定を即座に反映させたい場合には、次のようにfmsadminコマンドを使用します。
sudo fmsadmin reload
(2015/09/02追記:OS X版のFileMaker Server 14では設定ファイルの形式およびパスが変更されたため、上記の方法は利用できません。)
Mac OS X v10.4で発生するApache 2.0.54の不具合回避策
August 24, 2005
Mac OS X v10.4でApache HTTP Server 2.0.54を動作させた場合に、Mac OS X v10.4とAPR(Apache Portable Runtime)に帰因する問題により、サイズの大きいファイルが正しくApacheからクライアントに送信されない不具合が発生します。
ソースコードを用いてApache 2.0.54をインストールする場合には、configure実行前に次のように入力して環境変数を設定することで不具合を回避できます。
export ac_cv_func_poll=no
なお、この問題はApache HTTP Server 1.3.33では発生しません。
(参考)Apache and Tiger(Musings)
(2005/10/17追記:この不具合はApache 2.0.55で修正されていました。)
fmsadminコマンドの活用 (1)
August 25, 2005
FileMaker Server 7のfmsadminコマンドを利用すると、コマンドラインでFileMaker Server 7の各種操作を行うことができます。
fmsadminコマンドを使ってFileMaker Serverでホストされたファイルの一覧を表示するには、LISTコマンドを使用して引数にFILESを指定します。
例えば、データベースフォルダ内にある、現在ホストされているファイルの一覧を取得したり、-sオプションを付加することによって、より詳細な使用状況(ファイルサイズや接続クライアント数、およびファイルの開閉状況)の情報を取得できます。
(使用例)
$ fmsadmin list files
$ fmsadmin -s list files
fmsadminコマンドの活用 (2)
August 26, 2005
FileMaker Server 7のfmsadminコマンドを利用すると、FileMaker Server Adminを使用しなくても、接続しているクライアントの一覧を取得することができます。
fmsadminコマンドを使ってFileMaker Serverに接続しているクライアントの一覧を表示するには、LISTコマンドを使用して引数にCLIENTSを指定します。
(使用例)
$ fmsadmin list clients
$ fmsadmin -s list clients
接続クライアントのコンピュータ名だけでなく、-sオプションを付加することによって、より詳細な使用状況(接続元のIPアドレスや接続時間、利用ファイル名やアカウント名など)の情報を取得できます。
Cyberduck 2.5
August 29, 2005
Mac OS Xで動作するオープンソースのSFTP/FTPクライアントソフトウェア「Cyberduck 2.5」がリリースされています。
バージョン2.5では、 FTP over TLSや履歴メニューがサポートされ、UTF-8がデフォルトの文字エンコーディングになっています。また、グラフィカルインターフェースが変更されてApple Mail 2.0と同様の外観となり、ナビゲーションバーの構成が一部変更されています。その他にも数多くの機能が改良および不具合が修正されています。
Cyberduck 2.5はMac OS X v10.4に対応していて、Mac OS X v10.3.9以降で動作します。
FileMaker 8 製品ライン発表
August 30, 2005
FileMaker, Inc.が「FileMaker Pro 8」を始めとするFileMaker 8 製品ラインを発表しています(日本語訳)。
米国では「FileMaker Pro 8」および「FileMaker Pro 8 Advanced」(旧称FileMaker Developer)の販売がすでに開始されており、FileMaker 8 製品ラインの残りの製品である「FileMaker Server 8」、「FileMaker Server 8 Advanced」および「FileMaker Mobile 8」は本年秋に出荷される予定となっています。
ただし、FileMaker 8 製品ラインの各製品について、日本市場での発売、仕様、価格等については現在のところ未定であり、後日報道発表およびファイルメーカー社のWebサイトで詳細が案内されるとのことです。
Business Productivity Kit
August 31, 2005
FileMaker, Inc.が、FileMaker Pro 8により作成されたソリューション「Business Productivity Kit」の配布を開始したことを2005年8月29日(米国時間)に発表しています。
Business Productivity Kitは中小企業ですぐに導入可能な、業務効率化を促進できるように設計されているデータベースソリューションです。
利用にはFileMaker Pro 8が必要であり、Business Productivity Kitと30日間試用可能なFileMaker Pro 8英語版の評価版は、http://www.filemakertrial.com/bpkprから入手できます。