FAMLog
FileMaker 7 インスタントWeb公開の改善点
May 11, 2004
FileMaker Pro 7のインスタントWeb公開でまず注目する点として、Webブラウザーで接続した場合に、マルチスレッド化された個々のセッションが維持されるようになりました。
セッションを維持するためにCookieもしくはQUERY_STRINGが利用され、各セッションごとの処理がFileMaker側で記憶されます。例えば、データベースに接続中にWebブラウザーのウインドウを閉じても、再度すぐにアクセスすればさきほどの画面が表示されます。
マルチスレッドで処理をこなせるようになったので、Webユーザーが実行する一部のタスクが他のWebユーザーに影響を及ぼすことがなくなり、基本性能自体も向上しています。
(2006/12/19追記:「インスタント Web 公開」を「インスタントWeb公開」に記述を変更しました。)
FileMaker Pro 7とFileMaker Developer 7が販売開始
May 10, 2004
待ちに待った「FileMaker Pro 7」と「FileMaker Developer 7」の販売が本日より開始されました。
ファイルメーカー社のサイトからはFileMaker Pro 7の評価版をダウンロードできるようになっています。
さらに、FileMaker Pro 7とFileMaker Developer 7のデータシートPDFもファイルメーカー社のサイトから入手できます。
FileMaker Pro 7のセキュリティ機能
May 07, 2004
FileMaker 7ではセキュリティモデルも一新され、これまでは通常パスワードのみによるアクセス制御機能でしたが、アカウント名とパスワードを使ってデータベースを保護することができるようになりました。
Webブラウザー経由でデータベースにアクセスするときにも、デスクトップ上で設定したセキュリティレベルが適用されるようになっており、以前のバージョンに比べると全体的に洗練されている印象を受けます。
権限があれば、アカウントの追加や削除、パスワードの変更等もスクリプトでできるようになっており、管理面での利便性も向上しています。
Timestampフィールドタイプ
April 30, 2004
FileMaker Pro 7ではTimestampフィールドタイプが新しく追加されています。
これまでは日付(Date)フィールドタイプおよび時刻(Time)フィールドタイプは存在しましたが、日付と時刻を同時に扱うフィールドタイプはありませんでした。
日時情報を保存するために日付フィールドと時刻フィールドの2つのフィールドを設定する必要がありましたが、Timestampフィールドを利用すると1フィールドで日時情報を扱うことができるようになります。
リミットの向上 (4)
April 29, 2004
FileMaker 7シリーズでは1ファイルに最大1,000,000テーブルを設定できることについてはすでに触れましたが、最大レコード数の限界値も増加しています。
FileMaker Pro 7と共にインストールされるPDFファイル「Installation and New Features Guide For FileMaker Pro 7 and FileMaker Developer 7」によると、バージョン7では1テーブルに最大64,000,000,000,000,000(64×10の15乗)のレコードを扱うことができるようになったそうです。
さらに1テーブルに最大256,000,000のフィールドを持たせることができ、データベースキャパシティは劇的に拡大したことが伺えます。
Unicode対応
April 28, 2004
FileMaker 7ではUnicodeでテキストデータが保存されるようになっています。Unicodeに対応したことにより、Mac OS Xではヒラギノフォントを有効活用することができるようになりました。
Unicode対応によって扱える文字が増える一方で、ソート順が前バージョンと変わる場合があったり、MacとWindows間でデータ交換をする際に文字化けが発生する可能性もあるかもしれません。実際に移行する際には、慎重に検証してからがよいかと思います。
なお、FileMaker Pro 7でテキストフィールドでは1フィールドに最大2GBのテキストデータをおさめられるようになっていますが、これは文字エンコーディングにUTF-16を利用した場合です。シフトJISやUTF-8など、UTF-16以外の場合には1GBが限界となりますので、実用面では最大1GBと認識しておいたほうがいいでしょう。
(2005/05/13追記:FileMaker Knowledge Baseリニューアルに伴いリンクを修正しました。)
リレーションシップグラフ
April 27, 2004
FileMaker Pro 7の新機能の1つにリレーションシップグラフがあります。
テーブルの相関関係がGUIで表示されるようになり、ドラッグ&ドロップで双方向のリレーションシップを設定することができるようになりました。
当初はカード型データベースであったFileMakerは、バージョン3.0でリレーション機能が追加されました。しかしながら、不自由な面も多く、リレーションのためにわざわざ計算フィールドを設定しなければならない場面がありました。FileMaker 7ではそのような必要もなくなります。
リレーショナルデータモデルが一新され、FileMaker Pro 7はいまどきのリレーショナルデータベースにもなったと言えるでしょう。
(2006/01/03追記:リンク先のURLを変更しました。)
マルチウインドウ
April 26, 2004
FileMaker Pro 7では、1つのデータベースを複数のウインドウで同時に開くことができるようになりました。
あるウインドウでデータを更新すると、すべてのウインドウにその情報が反映されます。また、同じデータベースに異なる処理を同時に行わせて、処理結果を別々のウインドウに表示させることもできます。
さらに、ウインドウのリサイズ、ウインドウの位置やタイトルの変更をスクリプトから制御できるようになっており、インターフェースをより自由にカスタマイズできるようになりました。
(2006/01/03追記:リンク先のURLを変更しました。)
浮動小数点数評価方法の変更
April 25, 2004
計算処理の有効桁数の増大に関連した話題として、FileMaker 7では浮動小数点数の評価方法に変更があります。
これまでは浮動小数点数の評価にOS内蔵の機能を使っていましたが、このために小数の計算で正しい結果が得られない場合がありました。例えば、ファイルメーカーPro 6では、126.96 - 119.29の計算結果は7.66999999999999となります。
FileMaker Pro 7では固定小数点演算機能が改良されており、上記のような計算もきちんと行われるようになっています。FileMaker Pro 7では、126.96 - 119.29の計算結果は7.67となります。
(2005/05/13追記:FileMaker Knowledge Baseリニューアルに伴いリンクを修正しました。)
リミットの向上 (3)
April 24, 2004
これまでのバージョンのファイルメーカーProでは計算処理の有効桁数は最大15桁でした。
すなわち、1,000,000,000,000,000およびそれ以上の数値の計算を正しく行うことができず、計算結果は正しい値になっていませんでした。例えば、ファイルメーカーPro 6では、1,000,000,000,000,000+1の結果は1,000,000,000,000,001とならずに1,000,000,000,000,000となってしまっていました。
FileMaker 7シリーズでは計算処理の有効桁数は最大400桁となっています。FileMaker Proは科学や工学に必要な数値計算もサポートするようになったと言えます。
(2005/05/13追記:FileMaker Knowledge Baseリニューアルに伴いリンク先のURLを修正しました。)